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第27回「故郷の思い出を」★石川 隆 さん

2010/11/19(金)

取材日:2010年10月27日
名前: 石川 隆  さん
肩書き: 公民館主事
会社名: 飯南町頓原公民館
仕事内容:

公民館活動の企画・立案・運営
公民館広報誌の編集・発行

住所: 島根県飯石郡飯南町頓原
電話: 頓原公民館0854-72-1776
経歴:

・鳥取県米子市で勤務
・30歳を過ぎた頃飯南町へUターン
平成8年:頓原公民館主事

前回の人との関係: 前回登場の田邉さんも石川さんの天体観測講座に参加。アウトドアに挑戦中の田邉さんにとって石川さんは憧れの達人!
飯南町歴: 47年
年齢: 50代
出身地: 島根県飯南町頓原地区
趣味・特技:

アウトドア・レザークラフト・木工などなどものづくり

休日の過ごし方:

山歩き・木工


素敵に輝いている人に突撃インタビュー!「さとやまっくす」。「"作れないものはない"を目指すDIY探究者」!ツリーハウスからレザークラフトまでなんでもできるアノ人に突撃!

 
月
■自然に囲まれて

天体観測、ツリーハウスづくり、レザークラフト、フライフィッシング・・・「アウトドアの達人」と噂の石川さんに会いに行った。お邪魔した時も、ちょうど公民館活動で行う工作体験の準備中。テーブルの上にはたくさんの材料が置かれていた。

頓原公民館主事の石川隆さんは島根県飯南町頓原(とんばら)地区生まれ。小さい頃から自然の中で遊ぶことが好きだった。そして興味を持ったものは何でも自分で作るのだという。

「中学生の時、彗星を探す人のドキュメントを観てすごく感動してからは天体も好きになってね」と石川さん。すぐに友達と望遠鏡を手作りし、夜空を眺めに出かけたという。「空が暗いから小さな星や流れ星がよく見える、自然っていいなって実感したね」。(上写真:月 石川さん撮影)

高校を卒業後は鳥取県米子市で働いていた石川さん。趣味に仕事にと充実した生活を送る中でも、ふと故郷の景色が浮かぶことがあったという。「秋の稲わらを焼く香りや、冬の湿った雪の香りは故郷の香り。いつも心の中には故郷があったね」。と石川さんは振り返る。「いつかは帰ろうと思っていたけれど、ある時ふと故郷に帰ってみるかという気持ちになったんだ」と石川さんは30歳を過ぎた時、飯南町へUターンすることにした。

■自分の時間を楽しむ ハンモック 

「飯南町に帰って良かったのは自分のやりたい事を楽しめる時間ができたことだね」と石川さんは笑う。飯南町に帰ってからは、仕事が終わった後にテントを担いで山に登ることも度々だったという。「藪の中をガサガサと突き進みながら山頂を目指すんだ、イノシシに遭遇したことやクマに間違われることもあったね」。

山の中で焚火を眺めながらゆっくりとウイスキーを飲む。そんな時間を過ごせることがアウトドアの魅力だと石川さんは教えてくれた。「インターネットを利用したり、ちょっと車を走らせればなんでも手に入るし、やりたい事はなんでもできるよ」と頓原に住んでいても不便さは全く感じないほど充実しているという。

  
 

頓原公民館■地域の公民館を作る

趣味の時間を満喫していた石川さんだが、現在は頓原公民館の職員として休みの日も忙しく走りまわっている。

石川さんは平成8年の頓原公民館発足当時からの職員。初代公民館長と石川さんの2人でゼロから企画・運営をスタートした。「立ち上げの時、机も何も無い公民館の中で館長さんと困り果てたのを覚えているよ」。

公民館事業の内容も何一つ決まっていない中、やってみようと思いついたのが「公民館教室」だった。飯南町にはカルチャー教室が少ない。地域の人々にとって公民館は大切な学びの場でもあったのだ。早速、全住民にアンケートを行い要望を聞き、短歌教室、郷土史教室などの講座が次々と開講していった。
目標とするのは「住民の方に楽しんでもらえる公民館」。敷居の高くない、誰でも気軽に立ち寄れる公民館として様々な活動が行われていった。そうして「公民館教室」を行いながらも、石川さんには一つの考えがあった。

「頓原地区は、婦人会や老人会といった組織がきちんと機能している。皆さんすばらしい活動を行っており、地域生活にも大きな問題は無い、そんな地域の中で公民館とはどんな役割を果たすべきなのかをずっと考えていたんだ」という石川さん。「そうして考えてみると、頓原には子どものための場所が少ないなと思ったんだよね」。

■思い出を作る場所    
天体観測
子どものための場所を作ろうと始めたのが、小学生を対象にした体験活動「とんばら探険隊」。月1回程度の体験教室では、石川さんの得意な木工や天体観測をはじめ、料理、アウトドアなどの体験する。老人会や婦人会など、地域の人々と共催してイベントも行われる。面白い体験ができると評判になり、毎年多くの小学生が参加する体験教室だ。

そんな「とんばら探険隊」を卒業する子ども達は、記念プレートに寄せ書きと写真を残して「とんばら探検隊」を卒業する。「記念プレートは第1回から全てとってある、一番の宝ものだよ」と石川さんは懐かしそうに話してくれた。「1期生はもう社会人になっている、公民館に遊びに来てくれたり、道で声をかけてくれるのが本当に嬉しい」。

   どんぐりデイズ
 
 
「とんばら探険隊」を始めてから6年後には、通学合宿「どんぐりデイズ」をスタート。年に4回程度、4泊5日の日程で公民館に泊まり込み、小学校へ通うこの合宿では、全て子ども達の手で生活する。

「普段しない家事労働を体験させたかったんだ、もちろん楽しい体験になるように工夫もしているよ」。

楽しみながら学んでほしいというが石川さんのモットー。通学合宿中も部屋の中にテントを張って寝るといった遊び心も忘れていない。「どんぐりデイズ」にもリピーターが続出。今では参加申込者が多く抽選になるほどだ。そして、この通学合宿は子どもだけでなく、保護者にも様々な効果を生み出していった。
「保護者にとっても良い合宿なのかな、子どもの大切さを実感したなどいろんな感想が寄せられたんだ」と石川さんも予想外の反響に驚いている。

■楽しみながら続けていきたい    
頓原公民館
「あそこに行けば面白い体験ができる」と子どもたちにも定着してきた頓原公民館。現在は、放課後の居場所づくりとして子どもたちに解放されている。授業が終わると走って公民館に集まってきて、日によっては40名を超す小・中学生が来館する。みんな楽しそうに工作をしたり、外で遊んだりと思い思いの時間を過ごしている。

「子どもたちの笑い声を聞いていると幸せな気持ちになるんだ」と石川さんも嬉しそうに子ども達を出迎えている。体験講座のための準備や材料集めで休みの日にも忙しく作業をする事が多いが、ちっとも苦にはならないのだという。「自分が楽しいと思えることをやっているからね、住民の方にも同じように公民館で楽しい思い出を増やしてもらいたいんだ」。

最後に、公民館での仕事を通して自分が変わったことがあるかと聞いてみた。「変わったというより逆にいつまでも変わらずにいれる、子ども達と一緒になって好きなことをしているからいつまでも精神的に年を取らないのかな」と石川さんは微笑む。

頓原公民館
「進学に就職に飯南の子どもたちのほとんどは町を離れざるを得ない、だから故郷での楽しい記憶を残してあげたいんだ」。

飯南町を離れた時、ふと故郷の景色を思い出してほしい。家族や友達、地域の人たちとたくさん笑いながら過ごした日々を思い出してほしい。「そしていつか故郷に帰ってきてくれたら嬉しいよね」。そんな願いが込められている頓原公民館の活動。その活動は子ども達へはもちろん、大人にも地域の素晴らしさを教えてくれている。石川さんのアイディアがこれからもたくさんの人の思い出を生み出していくことだろう。
 

取材後記

「好きなことばっかりさせてもらってるからね、本当はもっと真面目な活動もしなくちゃいけないかな」と笑う石川さん。アウトドア、レザークラフト、男の料理!などなど子どもから大人向けまで幅広いジャンル何でもできる方なので、公民館の活動にも次から次へとアイディアが出てくるんでしょうね!今までの写真を見させてもらいましたが、大人も子どもも本当に楽しそう!噂を聞き、町外から参加される方もいらっしゃったそう!

放課後には子ども達が走って公民館にやってくる姿もステキでした!石川さんも、公民館も、子どもたちにとって無くてはならない存在ですね。今や子どもだけでなく大人にも田舎の楽しみ方や飯南の魅力を教えてくれる石川さんでした!

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